減量期のまとめ

 減量にあたり,学術論文を読んだりトレーナーの講習を受けたり書籍を読んだりと自分なりに勉強してきた.2019 年 1 月 13 日で減量を終了し,今後しばらくは増量期に入るつもりだが,自分なりの総括をしておきたい.

目的は,筋肉量を維持しつつ除脂肪を進めること

 多くのトレーニーにとって,これは減量期に共通の目的だと思う.しかし指導者によって言うことが異なり,人名を冠したダイエット法や商業的に流布しているダイエット法が巷間にあふれる中,正しい情報を入手するのは困難を極める.

 そのため,まず学術論文に科学的根拠を求めた.最も信頼できそうなシステマティックレビューおよびメタアナリシスとランダム化比較試験を中心に検索した.データベースは最初 Google Scholar を用いたが,最近は PubMed も併用している.

エネルギー収支を正確に把握することから始まる

 何はともあれ「いつ」「何を」「どれだけの量」食べたのか把握しなければ始まらない.この三つの情報だけは絶対に必要だ.この中で最も記録の難しいのは「どれだけの量」か,つまり計量だ.

 具体的には,食べる直前に食材の種類と重量を記録してツイートした.そのツイートを見返して食品成分データベースで主要栄養素を計算し,スプレッドシートに記録する.後で知ることになるが,これは秤量法と言って,最も確実だが難易度の高い方法だった.

 エネルギー支出については間接熱量計にアクセスできないため,InBody やハリス・ベネディクト式,基礎代謝基準値などによる基礎代謝量の推定値に頼らざるを得ない.係数として乗算する身体活動度もおおざっぱな値でしかなく,かなり曖昧だと言わざるを得ない.

 結局,体重および体組成の推移を見ることでしか,エネルギー収支がプラスなのかマイナスなのかは分からなかった.間接熱量計のコストが下がればもっと市中に普及するのにと思う.

減量食には六つの原型がある

 詳細は別の記事『 食事と体組成に関する国際スポーツ栄養学会のポジションスタンド(前編)』で述べるが,大まかに分類すると以下のようになる.

  1. 低エネルギー食
  2. 低脂肪食
  3. 低炭水化物食
  4. ケトジェニック食
  5. 高たんぱく質食
  6. 間欠的絶食

 巷にあふれるダイエット法はすべてこれらの亜型である.低脂肪食,低炭水化物食,ケトジェニック食については脂質と炭水化物の比率を極端にいずれかに偏らせているものの,総じてエネルギー収支をマイナスにするという基本方針に違いはない.低エネルギー食は脂質にも炭水化物にも偏らずトータルで収支をマイナスにするという方針だ.

 これらのうち,いずれが優れているのか,劣っているのかについてはまだ決着がついていないというのが本当のところだろう.人種,性別,個人の遺伝的特性,食環境や住環境など,考慮すべき要素は無数にあるが,それらに関して層別化した報告はまだ見つけられていない.

体組成と身体計測をモニターしよう

可能ならInBodyを計測しよう

 体重だけでは明らかに足りない.最低でも脂肪量,除脂肪量は必要だ.可能なら InBody による体組成を経時的に計測する必要がある.印刷されたレポートはファイリングしておき,各自でスプレッドシートに記録しておこう.

 スプレッドシートに蓄積したデータを可視化するにはいくつか方法があるが,Google Data Studioでたんぱく質摂取量のグラフを作るにはの記事でその一つを紹介している.

機会があれば医療機関で全身骨密度を測定しよう

 それに加えて,限られた医療機関にしかないが,全身の骨密度を測定するとついでに軟部組織の重量もおまけで測定してくれることもある.保険診療になるため,かかりつけ医から紹介状を書いてもらって予約を取り,測定してもらうのが良いだろう.

 注意しないといけないのは,必ず「全身」骨密度が測定できる医療機関を選ぶことだ.前腕のみしか測定できない機器もある.全身の測定できる機器でも,腰椎と大腿骨頚部しか測定してくれないこともある.

 これは DXA 法と言って,最も信頼できる測定方法だ.普及していないのはコストの高さと放射線を遮蔽する必要から医療機関でないと扱えないためだ.ちなみに InBody は BIA 法(生体電気インピーダンス法)と言って,それに準ずる精度があるとメーカーは言っている.

ZOZOスーツが身体計測に使える

 その他,皮下脂肪厚,胸囲や腹囲,上腕周囲径,大腿周囲径などの身体測定などである.しかし,メジャーを巻き付けて測定するのは少々骨が折れる.

 やってみて分かったのだが,ZOZO スーツは経時的な変化の比較にはもってこいのツールである.実測値とどれくらいずれているのかは分からないが,スマホの前に立って数分間で計測が終わるのはなかなか面白い.何より,人に測ってもらわなくても良いというのが好都合だ.こういうツールはもっと普及すべきだ.

皮下脂肪厚の測定は難しい

 キャリパーという器具を使って計測する.当然だが計測部位は毎回同じ場所を決めておく.腹部ならヘソの横とか左右の腸骨上とか,腕なら左右上腕の内側とか,太ももなら左右大腿内側とか.

 一人で計測するのと,他の人に計測してもらうのとでは難易度が違う.自分で計測するのは難しい部位がある.他の人に頼むと自分の手の届かないところも計測してもらえるが,相手は大変だ.

 1 回で測定を終えるのではなく,2 – 3 回繰り返し計測してその平均を記録する.読んでいるだけで嫌になってくるだろう?

計測結果

 さて,そろそろ減量の結果を示そう.まず摂取している栄養素と体重・体組成の推移だ.PFC バランスは低脂肪食に寄っているが,完全に定義を満たしてはいない.ちなみにこの体組成は InBody のものではなく,簡易体組成計のものだ.

Fig 1. 直近一週間の栄養素,前日の各栄養素の由来および体重と体組成の推移

 次に身体測定の推移だ.胸囲は減量中にもかかわらず一貫して増加傾向にあるが,腹囲は変化ないようだ.大腿周囲径は減少傾向にある.トレーニング内容からも納得できる.

Fig 2. 胸囲,ウエスト,上腕径,大腿径の推移

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