冬季における家庭血圧と屋内温度との関連の横断解析 日本全国のスマートウェルネス住宅調査

 表題の原文はCross-Sectional Analysis of the Relationship Between Home Blood Pressure and Indoor Temperature in Winter: A Nationwide Smart Wellness Housing Survey in Japan DOI: 10.1161/HYPERTENSIONAHA.119.12914で読める.家が寒いと血圧が上がるという経験則をデータで示した論文である.血圧が上がれば心血管疾患リスクが上がり,死亡率も上がる.したがって冬には死者が増える,という冬季超過死亡率の上昇まで見てあればよいのだが,残念ながら死亡はエンドポイントとして見ていない.それがこの研究の限界である.

要約

 心血管疾患に起因する死亡率は冬季に急上昇する.冬季超過死亡率として知られ,この現象は一部寒冷曝露による血圧上昇により説明される.家庭血圧は,特に朝において,心血管疾患リスクと密接に関連している.我々は断熱改修の意思があり建設会社に募集された3775名の参加者(2095世帯)における家庭血圧と屋内温度の初の大規模な全国調査を実施した.家庭血圧を2週間にわたって朝夕2回ずつ測定した.冬季における家庭血圧と屋内温度との関係を3層のマルチレベルモデルを用いて解析した.繰り返し測定する1日レベルの変数(屋内環境温度および睡眠の質),個人レベル内の階層化(年齢と性別)および世帯レベル内の階層化.2900名の参加者を調査した横断解析は57歳(本調査の平均値)の参加者において朝の収縮期血圧が屋内温度の変化に統計的有意に夕(6.5 mmHg/10℃低下)より高い感度を有し(8.2 mmHg/10℃低下)ていた.我々はまた朝の収縮期血圧と屋内温度との間に非線形の相関関係を見出し,それは血圧に対する屋内温度の効果が室内温度の範囲に依存することを示していた.年齢/女性と屋内温度との相互作用項が統計的有意であり,それは収縮期血圧が高齢者および女性において屋内温度変化に脆弱であることを示していた.我々はこれらの結果が男性および女性の各群において推奨される最適な屋内温度を決定するのに有用であると考える.

導入

 心血管疾患(CVD)は,世界の死因の筆頭であり,2016年時点で年間1790万人の死因となっており全世界の死因の31%を占める[1].心血管疾患による死亡は2030年には2360万人に増加すると推定する研究がある[2].心血管疾患の予防はそれゆえ喫緊の課題である.

 心血管疾患による死亡は冬季に増加し,冬季超過死亡率として知られる現象である[3,4].冬季超過死亡率の機序は一部には寒冷誘発性血圧上昇によると説明される.低温に対して深部体温を一定に維持するため,血管が収縮して熱放散を抑制し,その結果血圧が上昇する.事実,多くの研究が血圧の季節変動は冬にピークを迎えることを示している[5,6,7,8].注目すべきは,現代社会において人々は自宅で60%から70%の時間を過ごすということである[9,10,11].生理機能の低下している高齢者においてはその比率は更に高まる[12].これらの知見は住宅における熱環境と血圧との関係を調査する必要性を強調している.

 しかし,今日までの研究の多くは血圧と外気温との関係を調査してきた.対照的に,室内温度に焦点を当てた研究は少ない[13,14,15].加えて,屋内温度のいくつかの研究では[13],血圧の指標として医療機関で測定された血圧(外来血圧)を採用しているが,家庭血圧(HBP),特に朝測定したものは,外来血圧よりも密接に心血管疾患リスクと相関することが知られている[16,17,18,19,20,21].そのため,現実世界の設定における家庭血圧と屋内温度との関係を調べた研究が必要であるが,そのような研究はまだほとんど現れていない.

 特に日本においては,四季が明確に区別され,古来より住宅は夏を旨として建てるべきであり,冬は何とか生活していけると信じられてきた.そのため,既存の住宅の39%は断熱されていない[22].それゆえ,日本においては住宅内の温度が他国よりも低いことと屋内温度が大きく家庭血圧に影響することが懸念されている.確かに,住宅における冬季超過死亡率は日本でも観察されているが[23],この現象を支持する根拠は乏しく,効果的な公衆衛生戦略の進行は著しく遅い.全く対照的に,英国政府はこの課題に対して,住宅温度の最低推奨値のような公衆衛生ガイドラインを発行した[24].

 我々は日本におけるスマートウェルネス住宅調査という名の全国前向き介入試験を実施し,それは家庭血圧と屋内温度の関係を定量的に評価することを目的としている.この結果はマルチレベル線形回帰分析と感度分析を用いて得られ,ベースライン調査(介入前)からのデータを解析した.

方法

 著者らは本研究の知見を支持するデータがこの論文内およびonline-only Data Supplement内で利用可能であることを宣言する.本研究はヘルシンキ宣言の原則にしたがって実施された.研究プロトコルおよびインフォームドコンセントの手順は服部医院倫理審査委員会により承認された.全参加者は書面で参加およびデータの公開についてインフォームドコンセントを受けた.本研究はhttp://www.umin.ac.jp/ctr/に登録された.

研究デザイン

 スマートウェルネス住宅調査は住宅を断熱改修する意思のある世帯に提供された.これには外壁,床および天井への断熱工事および窓枠の交換が含まれていた.この調査は実際に断熱改修するかしないかを参加者の選択に委ねて群別した非無作為化対照試験として実施された.研究デザインの概要をonline-only Data Supplement内のFigure S1に示す.

 参加者は日本の全47都道府県から建設会社により募集した.適用基準は(1)住宅の断熱改修の意思があること,(2)20歳以上であること,および(3)改修前の参加者の住宅が日本の長期優良住宅のS基準に合致していないことであった.世帯当たり2名の参加者(通常は夫と妻)が実際に対策を実施するか尋ねられた.

 スマートウェルネス住宅調査は,2014年の冬に始まり,合計4回の冬季間(2014-2017年)からのデータを2019年2月まで取得した.本論文では,冬季におけるベースライン調査(断熱改修前)から横断分析を実施した.大多数の住宅が断熱性能の低い日本の住宅の実際の状態を反映するため,我々は断熱改修前のデータに焦点を当てた.

家庭血圧と他の測定項目

 参加者は日本高血圧学会のガイドライン(2009)[25]に従って家庭血圧と心拍数を朝離床後の2回(排尿後,内服前および朝食前)と夕方就寝前の2回測定するよう求められた.家庭血圧はリビングで1-2分間の休息後座位で2週間にわたり測定し,自動血圧計(HEM-7251G; Omron Healthcare Co, Ltd)を用いた.報告バイアスを回避するため,家庭血圧は屋内環境温度(TempIn)および血圧測定時刻と共に蓄積され,3Gモバイルネットワーク回線を経由してインターネットにアップロードされた.床から1メートル高の室内温度と相対湿度もリビング,寝室および脱衣所で10分間隔で測定された(TR-72wf, T&D Corp).外気温(TempOut)は各参加者の自宅から最も近い地方気象観測所から取得した.

 年令や性別,体重などの個人属性,食習慣や喫煙,アルコール消費量などの生活習慣指標および高血圧に関連する疾患に焦点を当てた健康状態をカバーするアンケート調査も実施された.日記調査も実施され,その中で参加者は毎日の起床時刻,就寝時刻,睡眠の質および飲酒の有無を記録した.

統計解析

 屋内温度と家庭血圧の関係を明確にするために,3つのレベルを含むランダム切片とともにマルチレベル線形回帰分析を実施した.繰り返し測定する日レベル変数(家庭血圧,屋内環境温度(TempIn),寝室とリビングの温度差(ΔTemp),睡眠の質,睡眠時間および前夜のアルコール消費)は個人レベル変数に階層化され(年齢,性別,体格指数,塩分チェックシート[26],野菜消費,運動,喫煙,アルコール消費および降圧薬の使用),さらに世帯レベルの変数に階層化された(TempOut).これらの変数は高血圧管理ガイドライン2014(JSH2014)[27]における高血圧に関連する因子として選択された.その変数を選択する前に説明変数周辺の相関分析を実行して多重共線性を確認した(Table S1).家庭血圧の観測は,各家庭血圧に最も近い測定時刻の室内温度と一致させた.朝夕での各2回の血圧測定値を平均してモデルに入力した.屋内温度は最低温度から始まるシーケンシャルモデルにそれぞれ加え,それらのモデルは適合度指数(赤池情報量基準)を用いて比較し,最適なモデルを選択した(Table S2に各シーケンシャルモデルの赤池情報量基準の比較を示す).マルチレベル線形回帰モデルは次のとおりである.

 日レベル(日毎に変化する変数)

HBP_{ijk}=\alpha_{0jk} + \alpha_{1jk} \times Temp_{In ijk} + \sum_{s=2}^p \alpha_{sjk} \times W_{ijk} +r_{ijk}

 ここでHBPijkは日iにおける世帯kの参加者jの測定した家庭血圧観測値であり,α0jkはランダム切片であり,α1jkおよびαsjkはTempIn ijkおよびWijk(各日レベルの変数)の回帰係数であり,rijkは日iにおける世帯kの残りの参加者jである.

 個人レベル(個人間で異なる変数)

\alpha_{0jk} = \beta_{00k} + \sum_{t=1}^q \beta_{0tk} \times X_{jk} + u_{s0k}

\alpha_{0jk} = \beta_{10k} + \beta_{11k} \times Age_{jk} + \beta_{12k} \times Sex_{jk}, \alpha_{sjk}= \beta_{s0k}(s=2,3,…)

 ここでβ00kはランダム切片であり,β0tkはXjk(各個人レベル変数)の回帰係数であり,u0jkは世帯kの参加者jのランダム効果である.β10k12kはα1jk(TempIn ijkの回帰係数)を指す係数である.

 世帯レベル(世帯ごとに異なる変数)

\beta_{00k} = \gamma_{000} + \sum_{u=1}^r \times Z_k + \epsilon_{00k}, \beta_{0tk}=\gamma_{0t0} (t=1,2,…)

\beta_{10k} = \gamma_{100},\beta_{11k}=\gamma_{110} ,\beta_{12k}=\gamma_{120} , \beta_{s0k}=\gamma_{s00} (s=1,2,…)

 ここでγは固定効果であり,Zkは各世帯レベル変数を支持し,ε00kは世帯kのランダム効果である.

 マルチレベルロジスティック回帰分析を感度分析として実行し,Logit(pijk)を上記の式でHBPijkの代わりに目的変数として用いた.Pijkは日iにおける世帯kの参加者jの観察された血圧が135以上(高血圧か正常血圧かの診断閾値)となる確率である.

 日レベル変数は各参加者の平均値を中心に設定されたが,世帯レベルおよび個人レベル変数は全体の平均値を中心に設定された.回帰係数は最尤法を用いて推定した.リストワイズ削除による屋内温度の結果が多重代入による結果とほぼ同じであることを確認後,欠損値に対してリストワイズ削除を使用した(Table S3).全てのP値は両側で0.05未満を統計的有意とみなした.すべての解析はSPSSバージョン24を用いて実行した(SPSS Inc, Chicago, IL).

結果

冬季におけるベースライン調査の研究プロファイル

 Figure 1に冬季調査における有効なサンプルの選択のフローを示す.合計2095世帯と3775名の参加者が日本全国から調査に反応した(平均年齢57歳,男性比率47%,体格指数の平均は22.8kg/m2).3514名の有効な参加者(2007世帯)が横断研究に組み入れられ,Table 1およびTable 2(略)に集約した.朝の収縮期血圧平均値(130 mmHg)は夕よりも(123 mmHg; P<0.001)統計的有意に高かった.朝および夕の家庭血圧測定時の屋内環境温度の平均値はそれぞれ14.5℃(範囲3.3-25.2℃)および17.8℃(範囲4.3-27.5℃)であった.朝の屋内環境温度は夕のそれよりも統計的有意に低かった(P<0.001).

Figure 1. 有効サンプルの抽出の流れ。断熱改修済みは、ベースライン調査前に既に断熱改修を終えていた参加者を示す。本稿ではベースライン(断熱改修前)調査のデータを分析するため、これらのサンプルは除外した。減耗の理由は以下の通りである。(1)エラーデータ除去後、朝・夕のいずれかが5日未満、(2)居室・寝室・室温変化のデータがない、(3)アンケート・日記のデータがない、(4)アンケートと日記の回答が不一致、(5)20歳以下、である。
Figure 1. 有効サンプルの抽出の流れ.断熱改修済みは,ベースライン調査前に既に断熱改修を終えていた参加者を示す.本稿ではベースライン(断熱改修前)調査のデータを分析するため,これらのサンプルは除外した.削除の理由は以下の通りである.(1)エラーデータ除去後,朝・夕のいずれかが5日未満,(2)居室・寝室・室温変化のデータがない,(3)アンケート・日記のデータがない,(4)アンケートと日記の回答が不一致,(5)20歳以下である.
Table 1. Characteristics of Participants in the Baseline Survey in Winter
Table 1. 冬期のベースライン調査参加者の特徴

冬季における屋内温度と家庭血圧の関係

 最初に,屋内環境温度の線形関数として表現されるモデルは朝夕における屋内温度と収縮期圧および拡張期圧との関係を比較するために用いた(Table 3,詳細なモデルはTable S4に示す).拡張期圧は朝と夕との回帰係数の間には統計的有意差を認めなかった(P=0.075, 朝とTempInの間の相互作用項,Table S5)が,朝の収縮期圧は夕よりも屋内環境温度の変化に対して有意に高い感度を有していた(P<0.001, Table S5).(本調査で平均年齢)57歳の参加者の朝/夕の血圧上昇は平均して屋内環境温度10℃の温度低下ごとに8.2/6.5 mmHgであった.心拍数のモデルをTable S6に示す.心拍数は屋内環境温度と正相関していた.この相関は概日リズムと屋内温度の日内リズムの近似を反映している可能性がある(Figure 2).心拍数および屋内温度は共に住宅内の活動とともに朝上昇し,夕方下降していた.

Table 3. 朝夕の室内環境温度と血圧の関係のマルチレベル・モデル
Table 3. 朝夕の室内環境温度と血圧の関係のマルチレベル・モデル

 心血管疾患は朝に頻繁に発生すること[29,30,31,32],心血管疾患についての重要な予後情報は収縮期圧が提供すること[33,34,35]を示す根拠があるため,朝の収縮期圧の最終モデルが構築された(Table 4略).個人属性の固定効果に焦点を当て,解析の示すところでは(1)年齢が10歳上昇するごとに収縮期圧は5.5 mmHg上昇すること,(2)女性の収縮期圧は男性より2.7 mmHg低いこと,(3)肥満の住人は体格指数が高いほど収縮期圧がより高いこと,(4)塩分過剰摂取や野菜を食べない住人は血圧が高いこと,(5)飲酒と喫煙は高い血圧を有することが示された.これらの知見は先述したガイドラインに示した関係に類似していた[27].それゆえ,これらの結果で本調査の被検者に外れ値がないことを確認した.屋内温度に焦点を当てると,屋内温度が低下すると収縮期圧が上昇することが解析で示された.さらに,屋内環境温度と収縮期圧との相関は線形ではなく三次関係であることが判明した.類似した関係が他の血圧指標で認められた(朝の拡張期圧,夕の収縮期圧および拡張期圧の最終モデルをTable S7に示す).寝室とリビングの温度差もまた屋内環境温度とは無関係に収縮期圧に影響していた.収縮期圧はリビングの温度が寝室温度より低い状況で上昇していた.

 Figure 2Aに収縮期圧と男性の10歳ごとの各群別の屋内環境温度との関係を示し,最終モデルに男性の平均値を入力して計算した(Table 4).データの示すところでは,例えば,屋内環境温度が20℃から10℃に低下した時,朝の収縮期圧は30歳男性で3.8 mmHg上昇し,60歳男性で7.6 mmHg上昇し,80歳男性で10.2 mmHg上昇する.高齢者ほど収縮期圧が屋内環境温度の変化に脆弱であることを示している.Figure 2Bに女性の結果を示す.女性は収縮期圧は低いが屋内温度の変化に高い感受性があることがわかる.屋内環境温度が20℃から10℃に低下する時,30歳女性では収縮期圧が5.3 mmHg上昇し,60歳女性では9.1 mmHg上昇し,80歳では11.6 mmHg上昇する.

Figure 2. 室内環境温度と朝の収縮期血圧(SBP)の関係。野菜摂取=定期的、運動=ほとんどなし、喫煙=非喫煙者、飲酒=毎日、降圧剤使用=なし。B、女性参加者の平均値を最終モデルに入力:野菜摂取=定期的、運動=ほとんどなし、現在の喫煙状況=非喫煙者、アルコール摂取=なし、降圧剤使用=なし。HSBPは家庭内SBP、JSHは日本高血圧学会、SWHはスマートウェルネス住宅を示す。
Figure 2. 室内環境温度と朝の収縮期血圧(SBP)の関係.野菜摂取=定期的,運動=ほとんどなし,喫煙=非喫煙者,飲酒=毎日,降圧剤使用=なし.B、女性参加者の平均値を最終モデルに入力:野菜摂取=定期的,運動=ほとんどなし,現在の喫煙状況=非喫煙者,アルコール摂取=なし,降圧剤使用=なし.HSBPは家庭収縮期圧,JSHは日本高血圧学会,SWHはスマートウェルネス住宅を示す.

屋内温度変化と家庭血圧との間の関係の感度分析

 高血圧を予防するための最適な推奨屋内温度を決定するのに有益なデータを照合するため,朝の収縮期圧が135 mmHg以上(高血圧か正常血圧かの診断閾値[27])に増加する確率に従って屋内温度変化と家庭血圧の関係を確認するための感度分析を実施した.最初に,感度分析を未調整の生データを用いて実施し,結果をFigure 3Aに示す.男女ともに,収縮期圧135以上のデータポイントの割合は低い屋内温度でより高い傾向にあった.

 マルチレベルロジスティック回帰分析に基づき,個人属性および生活習慣で調整後に感度分析を実施した.このモデルの結果をFigure 3Bに示す(Figure 3Bの詳細なモデルはTable S8に示す).収縮期圧が135 mmHg以上に上昇する確率が50%未満となる屋内温度は,60歳男性で12℃より高く,70歳男性で19℃より高く,80歳男性で24℃より高かった.70歳女性では11℃より高く,80歳女性では16℃より高かった.Figure 3Bに示したパーセンテージは説明変数(例,体格指数,睡眠時間および睡眠の質)の平均値を入力したマルチレベルロジスティック回帰モデルから得られたものであることは強調すべきであり,そのためパーセンテージは参加者の属性および他の変数に従って変化する.

Figure 3. 室内周囲温度の変化に対する朝の収縮期血圧(SBP)の感度解析。A, 室内温度が10℃以下の場合、60代男性の59%のSBPデータポイントが135mmHg以上であることを示す図である。一方、60代女性のSBPの47%は、室内温度が10℃以下のときに135mmHg以上であった。B, 参加者の平均値をマルチレベル・ロジスティック回帰モデルに入力した。このグラフから、他の変数(ΔTemp、睡眠の質、睡眠時間、前夜の飲酒、肥満度[BMI]、塩分チェックシート、野菜摂取、運動、喫煙、アルコール摂取、降圧剤使用、TempOut)を制御した後、屋内外気温10℃では、60歳男性のSBPが135mmHg以上になる確率が56%であることが示された。
Figure 3. 室内周囲温度の変化に対する朝の収縮期血圧(SBP)の感度解析.A, 室内温度が10℃以下の場合,60代男性の59%のSBPデータポイントが135mmHg以上であることを示す図である.一方,60代女性のSBPの47%は,室内温度が10℃以下のときに135mmHg以上であった.B, 参加者の平均値をマルチレベル・ロジスティック回帰モデルに入力した.このグラフから,他の変数(ΔTemp,睡眠の質,睡眠時間,前夜の飲酒,肥満度[BMI],塩分チェックシート,野菜摂取,運動,喫煙,アルコール摂取,降圧剤使用,TempOut)を制御した後,屋内外気温10℃では,60歳男性の収縮期圧が135mmHg以上になる確率が56%であることが示された.

考察

 本研究は家庭血圧と屋内温度との関係を1840世帯2900名の参加者のベースライン調査(断熱改修前)に基づいて解析した.横断分析は(1)朝の収縮期圧(10℃低下につき8.2 mmHg上昇)は夕の収縮期圧(10℃低下につき6.5 mmHg上昇)よりも屋内環境温度の変化に有意に高い感受性を有すること,(2)屋内温度環境と朝の収縮期圧との間には三次関係があること,(3)高齢の住人および女性における収縮期圧は屋内温度変化に脆弱であること,(4)朝の収縮期圧は寝室とリビングの温度差が増加すると上昇することを示した.

朝の高血圧と屋内温度

 多くの研究では[16,17,18,19,20,21],朝の家庭血圧が心血管イベントの強い指標である.先の研究結果[16]の示すところでは,外来収縮期圧が上昇していなくても,心血管イベントのリスクは仮面高血圧と管理されていない朝の家庭収縮期圧の患者で高い.ゆえに,外来血圧だけを管理するのは不十分で,朝の家庭血圧の管理の必要性が強調されている.

 今回の解析で,朝の家庭収縮期圧は夕方の収縮期圧よりも屋内環境温度の低下に伴い漸増することが明らかになった.加えて,朝の屋内環境温度は夕方よりも有意に3.3℃低かった.朝の家庭収縮期圧が夕の家庭収縮期圧よりも高い感受性を示すという事実は,単純に朝と夕の屋内温度の範囲の違いによる可能性がある.いかなる場合でも,これらの結果は朝の屋内温度管理の重要性を強く支持する.

家庭血圧と屋内温度との非線形関係

 屋内温度と血圧の関係を調査した研究は最近のメタアナリシスで系統的に要約されている[36].

 Barnettら[13]は35歳から64歳までの男女115,434名の血圧測定データを解析し,屋内温度が10℃低下すると収縮期圧が3.1 mmHg上昇することを明らかにした.しかし,この調査は参加者の自宅内で測定された血圧を調査したものではなく,むしろ18℃から24℃までの快適な屋内温度の診察室内で測定された血圧である.本調査は3.3℃から27.5℃までの範囲の屋内温度からデータを取得し,屋内温度が10℃低下するごとに収縮期圧が6.5 mmHg(夕)あるいは8.2 mmHg(朝)上昇することを示した.それゆえ,本調査における収縮期圧の上昇はBarnettらの報告したそれよりも大きかった.これはおそらく,現在の知見が収縮期圧は屋内環境温度の三次関数であることを示唆することから考えると,屋内温度と収縮期圧との関係が高い室温では弱まるためである.

 Woodhouseら[14]は65歳から74歳の個人96名を調査し屋内温度が10℃低下するごとに収縮期圧が9.0 mmHg上昇すると定義した.しかしサンプルサイズが小さく高齢患者だけを試験に導入しているためその知見を一般化できるかどうかは困難である.

 Saekiら[15]は参加者の自宅内で収縮期圧を測定する調査を実施した.平均年齢72歳の高齢者を中心に,日中の屋内温度が10℃低下するごとに日中の収縮期圧が2.2 mmHg上昇した.本調査と比較して屋内温度に対する収縮期圧の感受性が低いのは比較する変数の違いによる可能性がある.Saekiら[15]は屋内平均温度と日中数時間の収縮期圧の平均値との関係を調査したが,本調査では生の測定値間の関係を調査した.

 上で述べたメタアナリシス[36]は先行研究が遭遇した問題を克服するために,適切なサンプルサイズと非線形モデルを使用する必要性を強調している.本調査においては,2900名の参加者の33,000データポイントに基づく解析が屋内温度と家庭収縮期圧との間に3次の関係が存在することを示した.つまり,屋内温度と朝の家庭収縮期圧との関係は高い屋内温度および低い屋内温度で弱まるということである.この関係は低い屋内温度では衣服を着用し高い屋内温度では衣服を脱ぐという温度調節行動や,血管収縮や血管拡張などの熱生理学的反応の結果である可能性がある.つまり,個人が寒いと感じるのが難しい屋内温度帯にいる時に血圧は大きく変動する.先行研究[37]は日本を含む13カ国の死者数は外界温度が極端に寒い時よりも中等度に寒い時に大きく増えることを示した.これは寒いと感じることが難しい屋内温度帯での血圧変動の増加に関連している可能性がある.この根拠は屋内温度が極端に低くない時でさえ屋内温度を維持すべきであることを示唆している.

朝の高血圧と寝室リビング間の温度差

 室温差による血圧の変動を調査した先行研究[38]が被験者実験に基づいて実施されたのに対して,本研究は参加者の自宅で寝室とリビング間の実際の温度差が増加すると朝の収縮期圧が上昇することを示した.日本人は伝統的に部分暖房(例,使用する部屋のみ暖房するなど)を使用するがヨーロッパ人やアメリカ人はセントラルヒーティングを使用しており,ヨーロッパやアメリカ諸国と比較して日本では部屋の間での大きな温度差に曝露される確率が大きくなる.本調査の結果は,それゆえ,日本人の伝統的な暖房方法は高血圧を予防するには好ましくないことを示唆している.

住宅温度の推奨値

 英国のイングランド公衆衛生局[24]およびWHO[39]は住宅の最低温度を18℃と推奨している.イングランド公衆衛生局が発行した報告書は,20の論文に示されたデータに基づいている.しかし,これらの20の論文は非常に異質であり,最低住宅温度の推奨を支持する根拠としては弱い.さらに,2018年のWHOのガイドラインでは,屋内の最低気温の一般的な目標値として18℃が最も適切かどうか,また異なる人口集団(例,高齢者)で最低目標値を変えるべきかどうかを確立するための研究が必要であると指摘している.

 本研究は収縮期圧と屋内温度との間に非線形関係が存在し,高齢および女性の住民の収縮期圧が屋内温度変化に脆弱であることを明らかにした.従って,最適な屋内温度の推奨値は,屋内温度と収縮期圧の関係が屋内温度の範囲や居住者自身の特性により変化するという事実を考慮して,決定されるべきである.家庭血圧と屋内温度との関係の基本的知見の一つとして,感度分析により,年齢と性別に応じて様々な屋内温度で朝の収縮期圧が135mmHg(高血圧と正常血圧の診断閾値[27])以上に上昇する確率を示した.

 高齢者の収縮期圧が屋内温度の変化に対して脆弱であるという知見の原因としては,これらの居住者の血管内皮機能障害の存在[40,41],環境温度の変化に対する生理的適応能力(例,血管拡張)の低下[42]などが考えられる.さらに,これらの居住者や女性は若い居住者や男性に比べて筋肉量が少ないため,代謝熱の産生が少なく,寒冷に対して脆弱である.事実,高齢者の朝の血圧上昇は気温の変化に対してより敏感であることが以前から指摘されていた[43].

 これらの結果が高齢者の健康にとって屋内温度管理が特に重要であることを明確に伝えるものであることを我々は期待する.さらに,朝型高血圧や心血管疾患を予防するために,各年齢層の男女に最適な住宅内温度の推奨値を決定する際にも役立つと我々は期待している.

研究の限界

 本研究には次のような限界があった.第一に,本調査は断熱改修を行う意思のある世帯を対象に行われたため,本調査の結果は他の集団に適用できない可能性がある.特に,朝の家庭血圧が夕方よりも高いという知見は他国と生活習慣の異なる日本での研究[21]が主な根拠となっている.従って,この結果は他国の人々を代表するものではない可能性がある.

 第二に,参加者の日常的な服装について調査できなかった.従って,屋内温度と家庭血圧の非線形関係が衣服の着脱の結果であるかどうかを特定することはできなかった.

 第三に,家庭血圧の観点からは,睡眠中の血圧測定も行うべきである.朝夕差(朝の家庭血圧から夜の家庭血圧を引いた差)の増加が脳卒中の独立危険因子であるというエビデンス[44]に基づき,朝夕差は夜間の屋内温度の低下と関連していることがわかった(Table S9に示す).しかし,最近の研究では[45],夜間血圧測定装置の技術的発展が著しいのとほぼ同時に,夜間血圧が独立した心血管イベント予測因子であることが明らかになった(例,夜間血圧測定機能を備えた家庭血圧測定装置,腕時計型ウェアラブルデバイス).従って,今後の研究では,夜間の血圧モニタリングを実施するサブグループを含めて,夜間の血圧と屋内温度とベッド内の温度との関係を評価する必要があることを提案する.

 第四に,家庭血圧の大きな季節変動が心血管イベントと関連するという知見から,夏の血圧を含む解析が必要であった[46].住宅内の温度環境が家庭血圧の季節変動を抑制することが期待されるが,屋内の温度環境と夏の家庭血圧の関係は,他の人間要因(例えば水の摂取量)や他の環境要因(例えば相対湿度)が発汗や血管拡張などの熱生理学的反応に影響を与え,それにより夏の血圧に影響を与える可能性がある[47].従って,冬とは異なるアプローチで,さらなる検証が必要である.

 最後に,この論文の結果は横断的分析に基づいているため,因果関係を断定することはできなかった.しかし,日本には屋内温度を上げることで血圧を下げるという行動文化がないため,今回の結果はむしろ屋内温度が血圧に影響を与えることを示す可能性も大いにある.とはいえ,断熱改修前後の同一人物の血圧を比較することで,屋内温度と血圧の間に真の因果関係があるかどうか,さらなる研究が必要である.

展望

 本研究では,冬季の屋内温度が家庭血圧に及ぼす短期的な影響について検討した.高血圧が長く続くと血管内皮細胞が傷害され,動脈硬化を引き起こし,更に血圧が上昇することを考えると,寒い住宅に住み続けることによる長期的な影響も考えられる.本研究の結果は,断熱改修を行う居住者(改修群)と,断熱改修を行わずに住み続ける居住者(非改修群)の間で,加齢による血圧の変化に差が生じるという仮説を促すものであった.両群について計画されている長期コホート研究(Figure S1)は,屋内温度の上昇が一時的または長期的に血圧を低下させる効果があるかどうかを検証することを目的としている.また,今回の結果では,日本における伝統的な暖房習慣の負の側面が示されたため,Saekiらと同様に,暖房習慣の改善による短期的な効果を研掃する必要がある[48,49].特に高齢者の場合,経済的・体力的な理由で断熱改修ができない可能性があるため,この検査は重要である.本研究の最終目的は,屋内の温度環境が家庭血圧に与える短期的および長期的影響を明らかにすることである.

謝辞

 スマートウェルネス住宅調査にご協力いただいた全国47都道府県の建設会社,調査員,研究委員会の皆様に感謝申し上げる.本研究に参加したスマートウェルネス住宅調査推進研究委員会のメンバーは,研究デザインの決定と研究の実施,データの収集,管理,分析,解釈,論文作成,論文の投稿の決定に関与していない団体に記載されている.

情報開示

 W. 海潮は鹿島建設株式会社の社員である.伊香賀俊彦は,東京ガス株式会社,大阪ガス株式会社,株式会社ハイアス・アンド・カンパニー,芙蓉ホーム株式会社,旭化成ホームズ株式会社,OMソーラー株式会社,鹿島建設株式会社,清水建設株式会社,株式会社ナイス,日本ガス協会,日本サステナブル建築協会より研究費(重要)を受けた.苅尾健一は,オムロンヘルスケア株式会社から研究助成(重要)を受けた.T. Hoshiは(株)LIXILから謝礼(重要)を受けた.安藤聡は健康科学研究所から研究助成金(重要)を受けた.鈴木正彦は大陽日酸株式会社から非制限的研究資金(重要)を受けた.その他の著者は、利害関係を報告していない.

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