重油,軽油,ジェット燃料油の推移を概観する

 eStatから日本の資源収支を概略するではガソリン販売量と都市ガス販売量の概略を示した.石油需給の推移を概観するでは液化天然ガス,液化石油ガス,灯油,原油の需給を概観した.今回は重油,軽油,ジェット燃料油の推移を経済産業省の石油統計から概観する.

重油

 重油はA重油,B重油,C重油に分類される.違いは軽油の混合割合とコストである.A重油は軽油の混合割合が90%,B重油は50%,C重油は10%である.

 A重油は小型船舶の燃料として用いられてきた.B,C重油は大型船舶の大型ディーゼルエンジン,工場や発電所などの大型ボイラーに用いられてきたが,船舶の排出ガス中の硫黄酸化物 (SOx) による環境汚染が問題視されるようになり,2008年の海洋汚染防止条約改正により,2020年以降はA重油への移行が進んでいる.

 下図では旅客船輸送人員と重油消費者向総販売の散布図を示す.両者の相関係数は0.89と高い.

旅客船輸送人員対重油消費者向総販売
旅客船輸送人員対重油消費者向総販売

 下図では海上出入貨物と重油消費者向総販売の散布図を示す.相関係数は0.79である.

海上出入貨物対重油消費者向総販売
海上出入貨物対重油消費者向総販売

軽油

 軽油はディーゼルエンジンの燃料として用いられる.バスやトラックなどの大型自動車,鉄道,船舶で日本の軽油の消費量の95%を占めるとされる.

 下図ではトラック輸送情報による輸送量と軽油消費者向総販売の散布図を示す.相関係数は0.76である.

トラック輸送情報による輸送量対軽油消費者向総販売
トラック輸送情報による輸送量対軽油消費者向総販売

 一方で下図に示すように,宅配便貨物取扱個数と軽油消費者向総販売は負の相関(相関係数-0.67)を示す.この原因はわからない.

宅配便貨物取扱個数対軽油消費者向総販売
宅配便貨物取扱個数対軽油消費者向総販売

 また,漁獲量と軽油消費者向総販売も負の相関(相関係数-0.50)を示している.この理由もわからない.

漁獲量対軽油消費者向総販売
漁獲量対軽油消費者向総販売

 バスによる旅客輸送人員,乗用車による旅客輸送人員はデータ数が少なく,割愛する.

ジェット燃料油

 ジェット燃料は航空機の燃料として用いられる.民間規格と軍用規格があるが詳細には立ち入らない.国内で消費される分の生産は賄えており,余剰は輸出および在庫に回っている.

 下図では航空輸送人員とジェット燃料油消費者向総販売の散布図を示す.相関係数は0.92である.

航空輸送人員対ジェット燃料油消費者向総販売
航空輸送人員対ジェット燃料油消費者向総販売

 下図では航空貨物輸送量とジェット燃料油消費者向総販売の散布図を示す.相関係数は0.88である.

航空貨物輸送量対ジェット燃料油消費者向総販売
航空貨物輸送量対ジェット燃料油消費者向総販売

まとめ

 重油,軽油,ジェット燃料油の石油需給と各変数との相関を示した.この記事には示していないが,製造された石油製品(燃料油,揮発油,ナフサ,ジェット燃料油,灯油,軽油,重油計,重油A,重油B,重油C,潤滑油,アスファルト,グリース,パラフィン)の都道府県別販売データは石油統計の1989年から2012年まで存在する.

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