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 カール・セーガン原作の映画.以前何かで観た記憶があるが,改めて Amazon Prime Video で観た.

 個人的にはインターステラーと並ぶ名作の一つに挙げたい.SETI って当時盛り上がってたよなとか,当時の合衆国大統領が登場したり,何かと政治がらみの可能性もあるんだけど.

 父親の葬儀の後の自宅 2 階で無線で父親に呼びかける姿に涙を誘われるが,神父に向かって「薬を 1 階に置いておけば助かったのに」と言い放つなど,この頃から既に科学一辺倒の傾向が見られる.

亡き父親に無線で呼びかけるエリー.

 SF でありながら乗員の選考委員会で神を信じるかと聞かれ,正直に答えて選考で落とされたり,ジョディ・フォスター演じる科学者エリーの猪突猛進ぶりが前面に出ていてこんな人確かにいるよなと思わされる.

 最初の乗員に選ばれた老科学者ドラムリンの老獪ぶりや,国防顧問のキッツなどの絡んだ政治的な駆け引きも見応え充分.最初観た時はドラムリン,邪魔にしか思えなかったけど今改めて観るとやっぱり適任はこのおっさんじゃないかとも思える.ま,結局爆弾テロで死んでしまうんだけど.

勝者の余裕を見せるドラムリン.

 宇宙旅行後に開かれた調査委員会で,キッツはエリーを徹底的に叩き潰す.5,000 億ドルをかけた国際プロジェクトが何の成果もなく失敗に終わった責任を彼女一人に押し付けて委員会は報告を出すのだけど,それを言うなら殉職したメンバーは宣誓書に署名しているはずだし,何よりキッツ自身だって国防顧問としてプロジェクトに参加してたんだから責任の一端はあるんじゃないか.ドラムリンが生きていればそうやり返しただろうな.

 弱者を叩いて注目を集めたいタイプだな.こういう人物,いそうだ.

エリーの証言を撤回させようとするキッツ

 エリーは調査委員会で,図らずも科学者としての自分自身の言葉に縛られることになる.しかし宇宙旅行は彼女を変えた.我々がいかに小さな存在であるか,同時にいかに貴重な存在であるか.我々は大いなるものの一部であり,決して孤独ではない,と.いやあ,夢があるなあ.

切々と訴えるエリー

 宇宙旅行に限らず,人は劇的な体験をするとこれまでの価値観が壊されて視座の段階が上がる.ありきたりなところでは病気とか,怪我とか,事故とか.どれも生命の危機に直結する事態だな.

 調査委員会はハデンが通信衛星を打ち上げてヴェガからの信号を捏造したことにしたようだけど,信号の出処は複数の天文台で観測してるから捏造なんて無理だと思う.で,現在の世界でハデンに該当する人物といったら,間違いなくイーロン・マスクだろうな.

 委員会後にエリーを迎えたジョス神父もいい味を出している.「科学と宗教の違いはあるが,目指すものは同じ.真理の探求だ」ってさ.くう,かっこ良すぎる.

 科学って合理性の追求という面が否定出来ないんだけど,人類の代表を選ぶという点で科学一辺倒だったエリーが認識を改めたところに感動を覚える.人間て不合理な側面も含めて捉えないとダメなんだよなあという,何だか当たり前のオチになってしまったけど,お勧め.

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