日本の住宅の断熱性はクソだ!

二重窓(内窓の追加)の効果について はてなブログで面白い投稿があった.

家の中が寒いっておかしくない?

 日本の住宅は耐震性は良くなってるけど,断熱性がクソだという話.投稿主さん,このブログ読んで怒ってらっしゃる.日本の住宅が、あまりにもアレすぎる件 まあコメント欄も白熱していて,今読んでもワクワクする.

 俺もこのブログは前に読んだことがあって,色々思うところがあった.脳卒中は国民病として日本人の生命を奪っていた時代があった.塩分摂りすぎが高血圧・脳卒中の原因ってことになってるけど,実際は住宅の断熱性がクソだってのも原因じゃないのか?

政府の統計

 ええと,まずは政府の統計から.厚生労働省の人口動態統計(平成 27 年版)によるとですね.

脳血管疾患は 11 万 1,973 人で全体の 8.7 パーセントを占め,全死因の上位から 4 番目

 だそうです.で,統計のある 20 世紀限定ですけど,こんな報告があるんですわ.

我が国における20世紀の脳血管疾患死亡率の変動要因と今後の動向

 それによると,脳血管疾患死亡率の変動要因として次の三要因があるんだそうな.年齢効果,世代効果,時代効果.

 年齢効果ってのは時代や世代に関係なく,『年を取れば脳卒中の死亡率が上がる』ってこと.世代効果ってのは年齢や時代による変化以外に生まれ育った生活環境・時代背景により他の世代と区別できる特徴のこと.戦時中とか,大災害とかそういうやつね.時代効果ってのは年齢や世代を問わず,社会全体が同じ方向に変わっていく部分を捉えたもので,時代背景や政策による社会環境の変化ってこと.世代効果と時代効果って区別しにくいな.

 効果の大きさの順番は年齢効果>世代効果>時代効果ってことになる.

脳卒中死亡数の実績値と将来推計値

寒冷は高血圧を誘発する

 他にも色々書いてあるけど,一つ注目すべき記載がある.

寒冷は高血圧を誘発するため,とくに冬季の気候の変化や暖房器具の発達も脳血管疾患に関わりの深い背景である.脳血管疾患死亡の季節パターンの歴史的変遷によると,1900-1910 年代には夏冬に高い二峰性であったが,1950-1960 年代には冬季集中型を呈し,1970 年代には冬季の峰も低下し季節による死亡の変化が少なくなった.

 ちゃんと書いてあるじゃないの(怒).この提言が住宅政策に反映されていれば,日本の住宅が寒いまま放置されることもなかったんじゃないの?厚労省と国土交通省,今からでも遅くないからちゃんと横の連携して下さいな.

 ・・・と思ってこの論文が出た年を見たら平成 18 年だった.10 年前.住宅に関する法律については詳しくないけど,10 年ってのは結構長い.もしこの論文が出た時点で国土交通省が迅速に動いていたら,事態はもう少しマシになっていたかもしれない.

 ただ,住宅の気密性・断熱性と脳血管疾患発症に相関関係があるかを報告した論文は見つけられなかった.こういう医療と社会環境に関わる横断的な研究ってなかなかそのものズバリ,がないのだよ.やろうとしてもハウスメーカー側が拒否しそうな気もするけど.誰か知ってたら教えて.

気密性と断熱性のデータを持たないハウスメーカー

 個人的な話になる.俺は数年前に家を建てた.ハウスメーカーは 3 社を候補に上げた.

 最初に連絡を取ったのは地元では有名な和風の住宅メーカーだった.翌日にはいくつかの候補地を抱えてエース級の営業を送ってきた.しかし,俺はそのメーカーの提案を蹴った.理由は気密性と断熱性だった.それぞれ C 値,Q 値で数値化できるが,そのメーカーは完成した住宅の気密性と断熱性のデータを持っていなかった.

 断りのメールに俺はこう書いた.

 日本の住宅が夏暑く,冬寒いのはなぜだろうかと常々思っていました.徒然草に住宅は夏を基本に考えて作るべしとの記述があります.冬の寒さはしのげるが,夏の暑さは対応できないからだとのことでした.しかし,現代ではその考えは変えるべきだと思っています.何より土地の狭さが夏に対応できる住宅建築を許しません.また電力が使用できる現代の住宅においては冬の寒さに対応した住宅であるべきと考えます.

日本人に脳血管障害が多いのは塩分摂取量が多いためですが,それだけでなく,住宅の温度環境が影響していると個人的には考えています.廊下や浴室の寒冷は,循環器系に悪影響があることは想像がつきます.

脳卒中になるとどうなるか

 俺は今でもこの考えは間違っていないと思っている.脳梗塞になるとその後の人生は悲惨なものになる.死ねば関係ないって?残念でした.現代の医療ではそう簡単に死なせてくれない.

 下手をすればその後死ぬまで寝たきりで下の世話を人にしてもらわないといけなくなる.それだけじゃない.食べることすらおぼつかなくなって,下手をすれば胃瘻か鼻から胃までのチューブで栄養剤を注入されながら生きることになる.

 退院しても誤嚥による肺炎を繰り返す.その度に入院だ.痰を取るのに 1 日に何回も細いチューブを鼻やら口から突っ込まれて掃除機みたいにズゴズゴっと吸われるんだぞ.お前ら,脳卒中を舐めるな.

 それと痰を取るのは看護師なんだけど,あいつらが白衣の天使だなんて嘘っぱちだからな.痰で喉が詰まったら窒息して死ぬわけだから,痰を取る時は手加減なしだ.人権や人間の尊厳なんてのは命あってのものだから容赦はしない.夜中に病室にやってきてあんなことやこんなことしてくれるなんて,それ AV の見過ぎだから

全棟のデータを出せ!

 で,ここはあえて,在来軸組工法はクソだ!と断言する.いや,ツーバイフォーがいいとかそんなことは言うつもりはない.気密性と断熱性を追求すれば軸組工法はありえない,ということだ.

 結局俺は断熱性と気密性の全棟データを公表しているメーカーに決めた.

データ件数 中央値 標準偏差 最頻値 平均値
C 値 1,284 0.60 0.21 0.60 0.66
Q 値 1,220 1.38 0.11 1.38 1.38

全国にて 2009年 4 月-2010 年 3 月まで計測した物件を対象

 これが俺の決めたハウスメーカーの出してきたデータだ.注意してほしいのだが,この表は 1 年間に建てた全棟のデータだということ.C 値と Q 値で件数が合わないが,年間 1,000 棟を超える数,というのがそのデータの信頼性を担保していないだろうか.

 これから家を建てようとしている人は,この数値をよく覚えておいてほしい.日本のハウスメーカーのほとんどはこの数値を出せないはずだ.もし出せているなら,そのメーカーは良い物件のデータだけを抽出して悪い物件のデータを隠している可能性がある.これをサンプリングバイアスという.必ず,全棟のデータを出すように質問するべきだ.もしデータを出せないなら,そのハウスメーカーとのお付き合いはやめた方が良い.それが将来,脳卒中になるか否かを決める要素になるのかもしれないのだから.

 もう一つ.ハウスメーカーの営業担当者は床暖房は不要だと断言した.実際住んでみて分かったのだが,それは本当だった.

2019/12/17 追記

 ブロガーのちきりん (@InsideCHIKIRIN) がマンションをリノベーションしたらしい.二重窓(内窓の追加)の効果についてという稿で紹介している.

 当然ながら,これまでの日本の住宅の窓についてぶったぎった内容となっている.二重窓以外ありえない,というのが著者の主張のようである.

One Reply to “日本の住宅の断熱性はクソだ!”

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください