自宅での感染隔離対策

 先日筆者は新型コロナウイルスに感染した.その際,自宅での感染隔離対策が読者にとって何か示唆する所があればと思い記事にすることにした.

 この記事がすべての住宅に当てはまるわけではない.住宅の構造に帰するところが大きい点もある.家族構成によっては当てはまらない点もある.それを踏まえて読んでほしい.

寝室を隔離室に設定

 今回,筆者と配偶者が陽性になったため,主寝室を隔離室に設定した.寝室は2階にあるため,陰性者は主に1階で生活することになった.トイレは1階と2階に1基ずつあるため,2階トイレは陽性者専用とし,1階トイレは陰性者専用とした.

 24時間換気システムが稼働しているため,換気はそれに任せることにした.空調は各部屋で独立しているのが今回役立った.全館空調だと空気の廻りが最後になる部屋を隔離室に設定する必要があり,感染対策と住居の各部屋の役割が衝突する可能性がある.

水分,食事の運搬

 最初は陰性者の大人にお茶を沸かして水筒に入れて持ってきてもらっていた.しかしこれは負担が大きく,途中から2Lのペットボトルのお茶を数本隔離室に置きっぱなしに変更になった.

 食事は最初普段の食器を使っていたが,洗浄の負担が大きいため途中から使い捨ての紙食器および割り箸に変更になり,トレイだけを回収する方法に変更となった.隔離室内に可燃ゴミを捨てるゴミ袋を置き,使用済みの食器と割り箸をそこへ捨てていく.

衣類の洗濯

 陽性者の脱いだ衣類を入れるためのビニール袋を用意してもらい,部屋の前に置いておく.陰性者が袋ごと脱いだ衣類を持っていき,洗濯機に放り込むというスタイルを取った.ガス乾燥機があるとなお良い.洗濯物は特に陰性者と区別はしていなかったようである.

洗面,歯磨き,トイレ

 2階の洗面台を陽性者専用とし,陽性者の歯ブラシ,タオル,ドライヤーなどを2階洗面室に集めた.2階トイレを陽性者専用とし,1階トイレは陰性者専用と分けた.

入浴

 発症して3日間は発熱のため入浴する気にもならなかった.しかし解熱してくると体の汚れが気になってくる.あらかじめ新しいパジャマおよび脱いだ衣類を入れるビニール袋を用意しておいてもらう.陰性者の入浴が終わった後,マスクをして1階の浴室に降り,脱衣室を閉め切る.入浴はシャワーのみとする.入浴後は脱いだ衣類,使用したタオルをビニール袋に入れ,洗濯機の前に置いておく.パジャマを着てマスクを着用し,隔離室に戻る.陰性者はその後ビニール袋から衣類とタオルを洗濯機に放り込み,洗濯する.

買物

 配偶者が要隔離となったため食事を作るのは陰性者の役割になった.これはかなりの負担である.そのため,夕食分だけはネットスーパーで買うことにした.しかしAmazonに慣れているとネットスーパーの使い勝手は非常に悪いと感じる.弁当や寿司もすぐに飽きる.途中でピザを頼んだり,配偶者の友人に買ってきてもらったりした.立て替え払いにPayPayは便利である.

 配偶者は生協などの食材配達サービスを利用しているが,隔離中は注文書の記載ができないため,ネットスーパーで隔離の初日に大量の食材を注文することになった.店頭で見て買えないのがもどかしいが,この際やむを得ない.

 ネットスーパーでの買物にはスマホよりもノートPCの方が便利であった.

暇つぶし

 食べて,寝て休むのが基本であるが,それでも暇である.暇つぶしのための道具が必要である.筆者は持ち込んだノートPCでAmazon Prime Videoで暇をつぶした.

生体監視

 体温計とパルスオキシメーターで体温と酸素飽和度を適宜測定していた.もともと筆者の酸素飽和度は99-100%であったが,感染を機に酸素飽和度は96%より上がることはなくなった.心肺系に負荷をかける感染症であることが身にしみた.隔離解除後,1階分の階段を上がるだけで心拍数が160台に跳ね上がり,とてもではないがエレベーターなしで複数階を上がることは無理だった.それもしばらくすると落ち着いてきたが.

まとめ

 新型コロナウイルス感染により自宅内での隔離を経験した.隔離室の設定は戸建住宅だったため比較的容易だった可能性がある.マンションだと動線を分離するのはかなり難しかったかもしれない.トイレや洗面台を各階ごとに2基設置しておいたのは感染対策上有効であった.水分や食事の運搬は陰性者にとって負担が大きかった.買物にはネットスーパーが便利であった.

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