原油の地域別,国別輸入元の推移をグラフ化するでは日本が輸入している原油の輸入元を1989年から2020年まで地域別,国別に概観した.今回は全世界の石油生産量の推移を地域別に概観する.
BP Statistical Review of World Energy
資源エネルギー庁のエネルギー白書2021では2019年までのデータがあるが,参照元の BP Statistical Review of World Energy には2020年までのデータがある.1965年から2020年までのデータがExcelのブックでダウンロードできるようになっている.今回はこれを元にグラフを作成した.
全世界
OPEC産油国は1970年代までは大幅に増産していたが,非OPEC産油国の増産,世界の石油消費の低迷を受け,1980年代前半は減少している.その減少を埋める形で1970年代から1980年代にかけて北米,CIS,アジア大洋州,欧州が増産している.
2000年以降は欧州で減産が進み,アジア大洋州とアフリカ,中南米の生産量は横ばい,ロシア,中東,北米の生産量が増加している.しかし新型コロナウイルスによるパンデミックのため2020年は減産に転じている.
北米
アメリカ合衆国の2010年代以降の生産量の増加はシェールオイルの影響が大きい.
中南米
ベネズエラの生産量が減少している一方でブラジルの生産量の増加が著しい.
ヨーロッパ
ノルウェーと英国でヨーロッパの大半の生産を占めている.2000年頃をピークに生産量は減少し,2010年代は横ばいである.
CIS
CISとは独立国家共同体である.旧ソビエト連邦を構成する国々である.大半がロシア産であり,2000年代以降は増産が著しい.
中東
サウジアラビアを追う形でイラン,イラク,アラブ首長国連邦が続いている.
アフリカ
見にくいグラフで申し訳ないが,凡例とグラフの順は一致している.
アジア大洋州
中国が第一位であるが,中国自身は消費が増え,石油輸入国に転じている.
アニメーションで見る石油生産量推移
Excelの塗り分け地図にスライサーを適用したGIFアニメーションである.1970年から2020年までの推移である.中途からロシアが出現したように見えるが,実際にはソ連のデータが表現できていないだけである.