第13章 空間の関係性を検査する(Begining Spatial with SQL Server 2008)

SQL Server

 空間情報を解析するとき,しばしば地球上の2つ以上の地物の関係を理解したくなる.例えば,a と b はどれだけ離れているのか?x と y との間の経路に z はあるのか?p と q は共通の境界を共有しているのか?本章では,これらの疑問に答えるためのメソッドを紹介し,空間データの2つのアイテム間の関係の異なる点から比較しよう.これらのメソッドのすべての構文は,比較のなされるインスタンスがパラメータとしてメソッドに提供され,最初のインスタンス上で次のように動作する.

Instance1.Method(Instance2)

 geometry 型および geography 型の両者が実装しているメソッドのコアセットは空間関係を比較するのに使われ,STEquals(), STIntersects(), STDistance() を含んでいる一方,geometry 型は特異的な関係を検査するのに使うもっと拡張した範囲のメソッドを実装しており,STOverlaps(), STCrosses(), および STContains() のようなものである.本章で紹介する各メソッドについて,どちらのデータ型で使われるか示そう.注意すべき点として,geometry 型および geography 型両者に実装されていても,異なるデータ型のインスタンスをそのメソッドで比較することはできないことである.例えば,STDistance() メソッドは2つの geography 型インスタンス間または2つの geometry 型インスタンス間の距離を計算することはできるが,geometry 型インスタンスと geography 型インスタンス間の距離を決定するのに使うことはできない.

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第 1 章 空間情報を定義する (Beginning Spatial with SQL Server 2008)

 空間データをデータベースで扱うにあたりどうしても避けて通れないのが,空間データがデータベース内でどう扱われているかを知ることである.

 EXCEL のオブジェクトも本質を知っているわけではないが,プロパティやメソッドを知ることで「どう動いているか」は見当がつく.SQL Server でも同じことである.

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