「学力の経済学」を読む

 俺自身は二児の父親である.何かのきっかけで表題の書籍を読んだ.日本では教育に関して統計を駆使したデータが少ない.教育評論家,育児の専門家などの「専門家の意見」ばかりが取り上げられ,エビデンスに基づいたデータというものが存在しないに等しい状況である.

 育児中の母親は必死になって育児書を読みあさり,東大に息子全員を入学させた母親の話に耳を傾けている.子供により良い人生を送ってほしいとの願いからくる行動であることは疑いない.数万人の子供を診た小児科医の話も傾聴に値するだろう.しかし,それも所詮一人の人間という限界に突き当たる.

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連帯責任

 子供の話になる.俺には子供が二人いる.小学 3 年生の長女と,幼稚園児の長男である.

 小学 3 年生にもなると,クラス内でもう派閥ができている.長女のクラスも例に漏れず,いくつかのグループに分かれているようだ.グループといっても,喧嘩したりではなく,休み時間になると決まったメンバーで集まって遊ぶという程度のものだ.この傾向は女子に強い.男子はまだ周囲が見えておらず,ポカーンとした雰囲気の子供が多い.

 さて,最近の小学校には特殊学級というものがある.いわゆる問題児を集めて隔離した教室のことだ.養護学校に行くほどでもないが,通常の授業の妨げになったり,ついて行けない子供が入っている.人数にして数%ほど.最近の小学校は 1 学年 2 クラスほどだから,そこそこ多いとは思う.その特殊学級の子供がちょっとしたトラブルを起こした.

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